定置網にジンベエザメ27匹 台湾東部海域で 異常気象も関係?
2008年01月29日
台湾の東部海域にて、定置網にジンベエザメが迷い込む事故が頻発している。
台湾の東部 宜蘭から花蓮、台東の海域では、今年は1月1日よりこれまでに、27匹ものジンベエザメが定置網に入り込み抜け出せなくなる事件が発生している。
例年1月は、こうした事故は一桁。今年はいつもの2倍以上となっている。
長年にわたってジンベエザメの研究と保護をしてきた国立台灣海洋大學 環境生物と漁業科学研究所の莊守正教授は、「相当に異常」と指摘。これまで毎年3~6月がジンベエザメが台湾東部に回遊して来るピークであったが、今年はなぜ1月に出現しているのか、原因を調べる必要があると話している。
ジンベエザメの生態を研究している海洋大学博士課程の学生 徐華遜は、この1ヶ月ジンベエザメ救助のために東海岸を南北に走り回っていると話し、定置網にかかっているのはまだ大人になっていないジンベエザメが多く、餌を求めて迷い込んだものではないかと推測している。
これらの現象がエルニーニョ現象や温室効果といった気象の異常と関係があるのかどうかについては、長期の観察と研究が必要になるものと思われる。
■東海岸大「鯨」奇 27尾鯨鯊「迷網」
(2008年1月26日 聯合報)
■現場直擊》放生大憨鯊…一路平安
(2008年1月26日 聯合報)
■放生誤闖豆腐鯊 漁民損失大
(2008年1月26日 聯合報)
■豆腐鯊頻誤闖東海岸定置漁網 疑氣候異常所致
(2008年1月25日 ETtoday)
■豆腐鯊出遊 25尾先後受困
(2008年1月24日 聯合報)
台湾政府農業委員会(農林水産省に相当)は、2007年3月27日より、ジンベエザメの捕獲を全面的に無期限禁止とし、2007年6月27日からは販売を、11月1日からはその肉及び加工品の所持も禁止している。
また、定置網にかかってしまったジンベエザメに対しては、研究のために標識をつけて放流することとし、1匹につきNT$ 3万元(≒JP\ 10万円)の報奨金支給を実施している。
漁民は「昔は1匹十数万元から数十万元で売ることができたのに、今は3万元の報奨金だけ」とため息をついている。
■農委會公告:鯨鯊元旦起即全面禁止捕捉
(2008年1月23日 中央日報)
■公告97年度獎勵鯨鯊(學名:Rhincodon typus,俗名:豆腐鯊)標識放流措施
(2008年1月9日 行政院農業委員會)
■公告自96年11月1日起,禁止持有鯨鯊肉
(2007年9月5日 行政院農業委員會)
■體型大 今年起全面禁捕
(2008年1月26日 中國時報)
■禁捕鯨鯊補助3萬 漁民嫌太少
(2008年1月26日 民視新聞網)
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ジンベエザメ もう食べられない【台湾と沖縄-地域交流と経済】at 2008年01月29日 01:46